マツダ新型ロードスター(ND型)試乗レポート

マツダの新型ロードスター(ND型)に1日試乗する機会がありましたので、その印象・評価について紹介したいと思います。

私は初代ロードスター(NA型)を所有していたことがあって、ロードスターには思い入れがあります。

また、NB型、NC型も試乗したことがあるので、ロードスターについてはその進化の過程もある程度知っているつもりです。

その上で、新型ロードスターに乗ってみると、ずいぶん硬派なスポーツカーになったなという印象でした。

ロードスターといえば、軽量オープン2シーターならではの運転の楽しさが一番の特徴ですが、スポーツカーでありながら肩に力の入らない適度な「ゆるさ」があるのも特徴で、それがロードスターを唯一無二の存在にしていたと思うのです。

ところが、ND型はタイトな本格スポーツという感じで、動力性能的にはなんの不満もないですし、思いどおりの走りができる優秀なスポーツカーなのですが、「ゆるさ」が消えてしまったような気がしました。

確かに、歴代ロードスターのように「スポーツカーなのに加速性能が…」といった印象はなくなり、どのギヤからでも思いどおりの加速ができるようになり、低速域でギクシャクするようなこともなく、インテリアの質感なども飛躍的に向上し、立派なスポーツカーになったとは思います。

しかし、私個人としては、本格的なスポーツカーを望む人にはホンダが開発中と噂されるS1000のほうがおすすめできるのではないかと思っていて、ロードスターにはあくまで万人向けのゆるいスポーツカーであってほしいと思っています。

6MTを駆使して自分の手足のように思いどおりに運転できる感覚はロードスターそのものなのですが、4代目にして(デザイン面でも)大きくイメージが変わってしまったような印象を受けました。

全体的な車の印象としては、とにかく運転が楽しいです。

これは間違いないですし、ロードスターはそこは絶対裏切らない車です。

ただ、フロントウインドウが少し近くなった気がして、フルオープンならではの開放感がやや薄れたような印象を受けたのと、クローズ時の騒音がとてつもなく、同乗者と会話をすることすら困難であることが気になりました。

ソフトトップだから仕方ないものの、もう少し快適性の向上にも力を入れて欲しいなと思いました。

おそらく、軽量化のためにそういった部分は極力削っているのだと思いますが、これはもう完全に一人で乗るための車になってしまったなぁと思いました。

完全にセカンドカー需要のための車になった気がしていて、そうであれば、もっと性能を落としてもいいから初代NA型のように200万円を切る価格からのお手軽なオープンカーであってほしいと、そんなことも考えてしまいました。

快適性については、今後発売予定のリトラクタブルハードトップモデル(ロードスターRF)のほうが優れているはずで、「快適性を求める方はそちらをどうぞ」ということなのだと思います。

試乗してみておもしろかったのは、エンジンをストップしたときに運転に対するコメントや燃費グラフなどがモニターに表示されることです。

また、手動オープンでありながら、幌の操作やドアの開閉に連動してドアガラスが勝手に上がったり下がったり、細かい制御がされるのもなかなかおもしろいと思いました。

信号待ちなどのわずかな時間でも車から降りることなくほんの数秒でルーフの開閉ができるのは手動ソフトトップならではで、ルーフの操作性に関してもモデルチェンジのたびにどんどん進化して手軽になっています。

そして、運転席から見える光景も、両端が膨らんだ艶やかなボンネットがかなり主張していて、まるでクラシックカーに乗っているかのようです。

個人的な評価としては、「運転の楽しさは確実に進化しているし動力性能は何の不満もないレベルまで来たが、ND型は今までのロードスターとは違う世界観を持った車になった」といった感じです。

一人で純粋にドライブを楽しむ車としては最高だと思いますが、通勤で毎日乗れるかと聞かれるとちょっときついかなと思いました。

初代ロードスターを所有していたときは毎日の通勤も楽しかったしなんの苦も感じなかったんですけどね。

これは単に自分が歳を取ったせいなのかもしれません(笑)



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